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 「やっぱりうどんには日本酒でしょ」--。夜9時前、煮込みうどんの鍋を囲み、近所の友人も交えて夕食が始まった。



 京都市内の2階建て借家。30歳会社員のヨーコさん(仮名)は学生時代の仲間2人と、この「シェアハウス」で暮らす。



 3居室を分け合い、広さごとに家賃は月2万5000~3万1000円。光熱費や食費を含め、月5万円程度で暮らせる。それ以上に「誰かといる静かな暮らし」が心地よい。



 大学を卒業した04年、大阪の広告関連会社で働き始めた。3年目になると仕事量が急激に増え、連日深夜まで残業。たまの休日は自宅にこもり、テレビやパソコンの画面に向かって一人笑う。体と心に不調が出た。息切れや不眠が続く。それでも上司は「働いてもらわないと困る」。ある日、何かがプチッと切れた。「ここに自分を委ねるのはいや」。心療内科にかかり、退職した。



 働くことは大事。でも楽しんで、自分が変われるような働き方をしたい。そう思って転職し、今は社内報の制作を請け負う会社でライターを務める。企業の若手社員にインタビューし、苦労談をまとめる仕事。地道にがんばる同年代を見るたび、素直に感動する。調子を崩した時、今の上司や同僚は「そうなることもあるよ」と時間をくれる。



 一方で、「何かあっても社会は自分を助けてくれない」とも感じる。長生きも望んでいない。「老後のために貯金してどうするって思う。貯金は人生の選択肢を増やすため、会社が立ちゆかなくなった時のため」



 シェアハウス入居は、転職後の09年。風邪をひいた時はショウガ入りの雑炊を作ってもらった。共有の連絡帳には「水が出しっぱなしでした」と注意書き。緩やかな関係が安心できる。「結婚して2人きりになるのはしんどい。都合の悪いことがあると、相手のせいに思えてしまう。今の私には3人ぐらいがいい」



 2年ごとの契約更新で入居・退去は自由。いずれメンバーは代わるかもしれないが、結びつきを求める人と、この先もつながるような気がする。



 会社でも家族でもない、第3のつながりが今の居場所。「友だち以上家族未満でつながって、しんどくもおもしろい時代に生きてるよね」--同居仲間の言葉に、ほろ酔い気分でうなずく。



 ◇  ◇ 



 恋に破れた男女の相談メールがパソコン画面に並ぶ。「前向きに、悩み続けず、恋愛以外に自分がやりたいと思うことに目を向けて集中して」--。回答メールを送信する。



 和歌山県内の観光ホテルで働く義信さん(35)には、本職以外にもう一つの顔がある。復縁専門の「恋愛相談マスター」。ネット上では知る人ぞ知る有名人だ。



 もともと人付き合いが苦手だった。高校を出て、地元の自動車部品販売会社に就職。しかし物足りなくなって大阪に出た。昼は工場に勤め、夜は道路工事現場の警備員をした。和歌山を出たら何とかなるだろうと思ったけれど、やりたいことも見つからなかった。28歳で和歌山に帰り、ホテルに勤め始めた。初めての接客業は意外におもしろかった。



 だが、給料は手取りで月20万円ほど。地方なのでそんなに仕事を選べない。有料の恋愛相談を始めたのは、単にもっと稼ぎたかったからだ。ネットの副業なら身一つで両立できると思った。



 相談を募ると、予想以上の反応があった。次第に復縁の相談が増えたため、専用ブログを開いた。メールだけのコースで1週間2500円、電話相談も含むと1カ月1万5000円など。今は20~30代の女性を中心に、毎日10~15人を相手に相談に応じる。



 自分は未婚で、交際経験も少ない。だが、親身な励ましは見ず知らずの人の心をつかみ、この3年で復縁させた人は50人近い。「みんな不安を抱え、応援されたい、勇気づけられたいと求めているんだと思う」。希望者を集め、オフ会も開くようになった。



 相談者の経験を聞くたび、自分の体験も深まるような充実感を覚える。「人と接しない生き方が無難と思ってきたが、今は違う。どんな仕事も人がいないと成り立たない。僕のアドバイスで人を幸せにできるなら、それが最高の報酬です」【青木絵美】=つづく



 ◇荒波を一緒に乗り越えようと



 関西学院大社会学部准教授の鈴木謙介さん(35)



 今の30代は何かを期待して裏切られた世代。たくましく生きる覚悟はあったのに、2000年代に厳しい現実に直面して「やっぱ無理だった、一生懸命やったけど、何にもなんなかったじゃねえか」と怒っている。同時に「自分の努力が足りなかった」という自己責任感も強く引きずっている。逆にその下の20代はハナから「期待するな」と教えられた世代。もっと冷めていて保守的だ。



 意識ある人たちはすでに「仲間」「つながり」で荒波を乗り越えようとしている。会社外で横断的な仲間を作ったり、地元・地域でつながったり。「みんなが敗者になる前に助け合おうよ」と動いている。震災のボランティアでも見られたが、関わりとつながりの仕組みと場所を、社会にもっと多く用意しないといけないと思う。



 ■ご意見お寄せください



 郵便は〒100-8051(住所不要) 毎日新聞くらしナビ「くらし」係へ。宛先に「リアル30’s」と明記して。ファクスは03・3212・5177、メールはkurashi@mainichi.co.jpまで。ツイートでも受け付けます。毎日新聞社の媒体に転載してよい場合はハッシュタグ#rt_30を付けてください。取材記者も@real30sでつぶやきます。





(この記事は経済総合(毎日新聞)から引用させて頂きました)



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