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ネット上で岩波書店の採用が話題になっています。



◆岩波書店、採用で「著者か社員の紹介必要」(読売新聞)



◆<小宮山厚労相>岩波書店の縁故採用で会見(毎日新聞)



同社のホームページによると「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」を条件に盛り込んでいます。

ネットニュースなどでは「コネ採用」と揶揄され、どちらかと言うと批判的なコメントを見かけます。



共同通信の2月2日付の報道によると、

「同社の就職人気は高く、例年、数人の採用に対し千人以上が応募。担当者は縁故採用に限った理由を"出版不況もあり、採用にかける時間や費用を削減するため"と説明」

とのこと。



この報道と、ネット上の反応を見て、私は岩波書店に同情してしまいました。

■これは「コネ採用」なのか?

まず、これは本当に「コネ採用」「縁故採用」なのでしょうか?



「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」とありますが、「元々の」というわけではありません。これから人脈構築するのは可能ではあります。もちろん、岩波書店にOB・OGがいない学生、地方学生は不利ですけどね。また、これらの紹介があるから絶対に内定するわけではありません。俗に言う、コネ採用とは少し違うのではないでしょうか。



「コネ採用」「縁故採用」と安易に解釈され、報道されてしまったのですね。ニュースでの取り上げられ方も反応の仕方も元々の募集要項を読んでいない議論になっていると感じます。



■コネ採用にもいろいろある

そもそも論として、コネ採用にも色々あります。



まず、前提としてお伝えしたいのは、「コネ採用は、ある」ということをおさえておきましょう。これも学歴差別同様、口にしただけで炎上気味になるのですが、多くの企業で存在しています。



このコネ入社もレベルは様々です。取引先の子供など「人質」レベルの必ず採用しなければならない人から企業説明会の予約を取りやすくする、書類選考だけは通す、ある段階までの面接まで通して判断は面接官に委ねるなど、コネにもレベルはあります。



また、学生がコネだと気づかないことも。「子供には内緒にして欲しい」と言ってくる人だっています。逆に「俺はコネがあるんだぞ」と人事に傲慢な態度をとる学生もいるのですが...。



コネ入社を絶対にブロックする企業、近親者の入社を許さない企業などもあります。



では、コネ入社社員が使えないかどうかで言うと、そうでもありません。中にはサラブレッドもいますからね。逆に集団面接などで「どうしてこの学生が通っているんだろう?」と不信に思われることも。選考中に他の学生から「こいつはコネじゃないか?」と疑われてしまった学生もいます。企業によってはコネ入社が集結している部署があることも。それこそ、採用担当者がコネ入社なんて企業もありますからね。お前が公平・公正な選考を語るな、と。敢えていおう、カスであると。



「そんなのは日本企業の悪習だ!」と言う方もいらっしゃるかと思います。最近、大手外資系IT企業に転職した人に聞いたのですが、「友人・知人を紹介して入社するとボーナス30万円」という制度があるそうです。新卒ではなく中途ですが。効率的に優秀な人を探す手法となっている感もあります。互いに責任が生じますし。合うかどうかもわかりやすいですし。



就職先によっては実はコネはマストです。例えば、デザイン事務所などです。美術大学などに通う学生さんは、学内限定でオープンしている資料を見てください。就職課が応募経路を集計しており「一般公募」「学校推薦」に並んで「縁故」というものが毎年集計されています。私は、見ました。



苦労している就活生にとっては、コネ入社が存在するだけで「キー!」となるかと思いますが、こういうものはあるものだ、それも色々あるものだと事実をおさえておきたいところです。



■とはいえ、岩波書店にも問題はある

では、今回の岩波書店の取り組みはどうだったのでしょうか。正直なところ、説明の仕方が下手だったように感じます。



実は岩波書店も以前はこのような紹介制をとっていた時代があったとのこと。そのような背景や、別に事前に著者や社員に接点がなくてもなんとか作って欲しいなどと言えばだいぶ印象は違ったのではないでしょうか。フェアではないと伝わるリスクはあったはずなので、自らリリースするなど、説明する努力をするべきだったことでしょう。



コネ採用はよい印象がないかと思いますが、肌が合う人が取りやすいというメリットはあります。岩波書店はカタめの書籍・雑誌を取り扱う出版社ですから、その手の著者と接点のある人の方がマッチするという考え方もあったでしょう。とはいえ、納得感のある説明をするのは難易度が高いですけどね。



応募数が肥大化していてオペレーションが大変だったと言いますが、おそらく「出版ならどこでもいい!」という、マスコミミーハー学生が殺到していたのでしょうね。出版社としての姿勢、仕事の難易度などをより伝えるべきでした。私、高校、大学時代に岩波新書と『世界』を愛読してましたが、カタいわけですし。



広報対応も結果的に言うとヘタクソだったように思います。「応募が殺到していて大変だからコネ入社にする」としか伝わらなかったということですね。



とはいえ、今回の岩波書店の取り組みは、就活界に問題提起したことは間違いありません。応募数がいたずらに肥大化していき、採用担当者も疲弊している実態がよく伝わったように思います。一見すると公平そうで、水面下で学歴差別を行い、絶対にエントリーシートを読まない大学の学生にもムダな努力をさせている、黒い手を使っているよりもよっぽどマシだと思います。楽しいパンフレット、説明会を作り上げ、どうせ採らないのに選考に学生を呼び、楽しいイメージを植えつけて人気企業ランキングに投票させている企業もあるわけですよ。この仕組まれた嘘っぱちの自由をそろそろ暴くべきです。



小宮山洋子厚生労働相はそういうことも分かって発言してください。



ついでに言うと、日本経済新聞は「日経ン出るって面接で聞かれた」というCMを流していますが、あれはそれこそ厚労省が打ち出している公正選考のガイドラインに抵触しています。詳しくはこちらをご覧ください。小宮山洋子厚生労働相は岩波書店にツッコミを入れるなら、ちゃんと日経にもツッコミを入れてあげてください。



この岩波書店の炎上事件が、限りなく透明に近く、納得感のある採用とは何か、議論のキッカケになるといいなと思っております。単に「けしからん」で終わらせてはいけない取り組みと言えますね。



こういう感情的なけしからん論、タテマエをこえたところに納得感のある採用はあるのではないでしょうか。



皆さんはどう思いましたか?



就活の栞

※2月3日14時のエントリーに加筆してアゴラに投稿しております



(常見 陽平)

(この記事は社会(アゴラ)から引用させて頂きました)



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