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■減額は継続…デメリットに注意
年金の支給開始の引き上げが取り沙汰されて以来、週刊誌などで年金を早めに受け取る「繰り上げ」を勧める記事や、逆に受け取りを遅らせて年金額を増やす「繰り下げ」を勧める記事が絶えない。「繰り上げ」は年金を所定の年齢よりも早く受け始める仕組みだが、年金額が下がる。不利益もあるので、慎重な検討が必要だ。(佐藤好美)
◆圧倒的に女性から
年金事務所でスタッフとして働くある男性は「週刊誌があおるものだから、繰り上げの相談ははっきり言って増えています」という。
男性が受けた範囲では、繰り上げを相談するのは圧倒的に女性。「なんだかんだ言っても、男性は60代前半で再雇用される人が増えた。繰り上げしなくても済むのでは。相談してくる人は繰り上げで年金が減るという認識はあるようだが、減っても65歳で戻ると誤解している人や、『繰り上げしないと損だ』とまで思っている人もいる」と、ため息をつく。
「繰り上げ」は年金を65歳よりも早く受け取り始めること。だが、繰り上げると年金額は減る。年金制度にはこのほか、年金を65歳よりも遅らせて受け取る「繰り下げ」があり、繰り下げれば年金額は増える。
千葉県君津市に住む女性(72)も年金を繰り上げた一人だ。女性は約20年にわたって国民年金保険料を納めた。同じ年齢の夫は自営業だったが、途中でサラリーマンに転職。制度改正でサラリーマンの妻が保険料を納めずに済むようになった後、13年間は第3号被保険者。国民年金への加入期間は計33年になる。
◆65歳からなら7万円
本来の受け取り開始は65歳だが、女性は年金を60歳に繰り上げて受けた。「母は60歳で亡くなったし、姉も『孫に小遣いでもやりたい』と、年金を60歳からに繰り上げて、67歳で亡くなったので」
女性が60歳で受け始めた年金は月に約3・5万円弱。専業主婦の時期が長い女性のための「振替加算」も65歳で付き、受取額は月4・5万円ほどになった。
夫もいるから生活には困らないが、女性自身、少ない感じは拭えない。理由は繰り上げで年金が減額されているからだ。特に、この世代は減額幅が大きく、受け取りを60歳に前倒すと、支給率は58%になってしまう。65歳からの通常支給なら、年金額は月7万円ほどあったはずだ。
とはいえ、この世代は納付した保険料よりも、圧倒的に受け取る年金額が多い世代。女性も「繰り上げて良かった。60歳で受け始めて、もう10年ももらったので満足です」という。
◆77歳前に逆転
今、年金の受け取りを検討する世代では、減額率はもっと小さい。65歳で受け取る基礎年金を60歳で受け取り始めた場合、支給率は70%。以後、受け取りを1カ月遅らせるごとに支給率は0・5%ずつ上がる。
社会保険労務士の高本(たかもと)博雄さんは「年金事務所で相談すれば、支給開始年齢別の見込み額を見せてくれます。65歳から受け取る基礎年金を60歳からに前倒しすると、当初は支給総額が多いが、76歳9カ月で逆転する。女性は男性に比べて長生きする可能性が高いので、私は女性の繰り上げは勧めない」という。
繰り上げは、減額が続く以外にも注意点がある。高本さんは、(1)夫に先立たれて遺族厚生年金を受けるときも、土台になるのは減額された自分の基礎年金(2)60代前半で新たに障害を負っても、基礎年金を繰り上げ受給している場合は障害基礎年金は受けられない-などを挙げる。決定には注意が必要だ。
◇
■60代で定額のある人は「一部繰り上げ」選択も フェアな制度改正へ注視を
60代前半で厚生年金の定額部分を受けられる人は、基礎年金の「一部繰り上げ」の仕組みもある。定額部分を受け取るまでの“段差”を縮める方法だ。
大阪府大東市に住む小林京子さん(60)=仮名=は基礎年金の「一部繰り上げ」を決めた。不況が夫(49)の仕事に影響し、3年半前に購入した住宅ローンの支払いがきつくなったためだ。
会社員だった小林さんは厚生年金の一部(報酬比例部分)を60歳で受け始めた。通常受給なら、63歳で定額部分を受け、65歳で基礎年金を受ける。しかし、待てそうになかった。
ただ、小林さんは60代前半に厚生年金の定額部分があるので「一部繰り上げ」を選ぶことができた。
小林さんは「以前は受け取る年齢を遅らせて、少しでも年金を増やそうと思っていたくらいです。でも、人生は分からないものですね。景気がこんなに悪くなるなんて。このままでは家を失いかねなかったのでやむを得ません。わが家は私の年金に助けられました」という。
年金制度改正の先行きは不透明で、さまざまな改正案が出ている。不確定要素が多い中で、繰り上げや繰り下げをどう選ぶかは、健康や生活事情もあるから一つには決まらない。低所得者への年金加算も検討されているから、「年金額の少ない人が結果的に“得をする”のでは…」と懐疑の声も出る。
しかし、高本さんは「未納や未加入、繰り上げで年金額が少ない人が加算を得られるような仕組みを作るべきではない。そんなことをしたら、保険料を納める人はいなくなる」という。個々では利点、欠点を理解して慎重に受給開始を決める一方で、フェアな年金制度が作られるように注視したい。
(この記事は社会(産経新聞)から引用させて頂きました)
集客
年金の支給開始の引き上げが取り沙汰されて以来、週刊誌などで年金を早めに受け取る「繰り上げ」を勧める記事や、逆に受け取りを遅らせて年金額を増やす「繰り下げ」を勧める記事が絶えない。「繰り上げ」は年金を所定の年齢よりも早く受け始める仕組みだが、年金額が下がる。不利益もあるので、慎重な検討が必要だ。(佐藤好美)
◆圧倒的に女性から
年金事務所でスタッフとして働くある男性は「週刊誌があおるものだから、繰り上げの相談ははっきり言って増えています」という。
男性が受けた範囲では、繰り上げを相談するのは圧倒的に女性。「なんだかんだ言っても、男性は60代前半で再雇用される人が増えた。繰り上げしなくても済むのでは。相談してくる人は繰り上げで年金が減るという認識はあるようだが、減っても65歳で戻ると誤解している人や、『繰り上げしないと損だ』とまで思っている人もいる」と、ため息をつく。
「繰り上げ」は年金を65歳よりも早く受け取り始めること。だが、繰り上げると年金額は減る。年金制度にはこのほか、年金を65歳よりも遅らせて受け取る「繰り下げ」があり、繰り下げれば年金額は増える。
千葉県君津市に住む女性(72)も年金を繰り上げた一人だ。女性は約20年にわたって国民年金保険料を納めた。同じ年齢の夫は自営業だったが、途中でサラリーマンに転職。制度改正でサラリーマンの妻が保険料を納めずに済むようになった後、13年間は第3号被保険者。国民年金への加入期間は計33年になる。
◆65歳からなら7万円
本来の受け取り開始は65歳だが、女性は年金を60歳に繰り上げて受けた。「母は60歳で亡くなったし、姉も『孫に小遣いでもやりたい』と、年金を60歳からに繰り上げて、67歳で亡くなったので」
女性が60歳で受け始めた年金は月に約3・5万円弱。専業主婦の時期が長い女性のための「振替加算」も65歳で付き、受取額は月4・5万円ほどになった。
夫もいるから生活には困らないが、女性自身、少ない感じは拭えない。理由は繰り上げで年金が減額されているからだ。特に、この世代は減額幅が大きく、受け取りを60歳に前倒すと、支給率は58%になってしまう。65歳からの通常支給なら、年金額は月7万円ほどあったはずだ。
とはいえ、この世代は納付した保険料よりも、圧倒的に受け取る年金額が多い世代。女性も「繰り上げて良かった。60歳で受け始めて、もう10年ももらったので満足です」という。
◆77歳前に逆転
今、年金の受け取りを検討する世代では、減額率はもっと小さい。65歳で受け取る基礎年金を60歳で受け取り始めた場合、支給率は70%。以後、受け取りを1カ月遅らせるごとに支給率は0・5%ずつ上がる。
社会保険労務士の高本(たかもと)博雄さんは「年金事務所で相談すれば、支給開始年齢別の見込み額を見せてくれます。65歳から受け取る基礎年金を60歳からに前倒しすると、当初は支給総額が多いが、76歳9カ月で逆転する。女性は男性に比べて長生きする可能性が高いので、私は女性の繰り上げは勧めない」という。
繰り上げは、減額が続く以外にも注意点がある。高本さんは、(1)夫に先立たれて遺族厚生年金を受けるときも、土台になるのは減額された自分の基礎年金(2)60代前半で新たに障害を負っても、基礎年金を繰り上げ受給している場合は障害基礎年金は受けられない-などを挙げる。決定には注意が必要だ。
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■60代で定額のある人は「一部繰り上げ」選択も フェアな制度改正へ注視を
60代前半で厚生年金の定額部分を受けられる人は、基礎年金の「一部繰り上げ」の仕組みもある。定額部分を受け取るまでの“段差”を縮める方法だ。
大阪府大東市に住む小林京子さん(60)=仮名=は基礎年金の「一部繰り上げ」を決めた。不況が夫(49)の仕事に影響し、3年半前に購入した住宅ローンの支払いがきつくなったためだ。
会社員だった小林さんは厚生年金の一部(報酬比例部分)を60歳で受け始めた。通常受給なら、63歳で定額部分を受け、65歳で基礎年金を受ける。しかし、待てそうになかった。
ただ、小林さんは60代前半に厚生年金の定額部分があるので「一部繰り上げ」を選ぶことができた。
小林さんは「以前は受け取る年齢を遅らせて、少しでも年金を増やそうと思っていたくらいです。でも、人生は分からないものですね。景気がこんなに悪くなるなんて。このままでは家を失いかねなかったのでやむを得ません。わが家は私の年金に助けられました」という。
年金制度改正の先行きは不透明で、さまざまな改正案が出ている。不確定要素が多い中で、繰り上げや繰り下げをどう選ぶかは、健康や生活事情もあるから一つには決まらない。低所得者への年金加算も検討されているから、「年金額の少ない人が結果的に“得をする”のでは…」と懐疑の声も出る。
しかし、高本さんは「未納や未加入、繰り上げで年金額が少ない人が加算を得られるような仕組みを作るべきではない。そんなことをしたら、保険料を納める人はいなくなる」という。個々では利点、欠点を理解して慎重に受給開始を決める一方で、フェアな年金制度が作られるように注視したい。
(この記事は社会(産経新聞)から引用させて頂きました)
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