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 自分が手掛けたWebサービスで「事業化できなかった」「ユーザーが集まらなかった」といった経験を持つ作り手が、当時を振り返りつつ学んだことを共有するイベント「失敗カンファレンス 2012」が3月13日、開催された。成功談が取り上げられることは数あれど、失敗例はあまり耳に入ってこないもの。ゆえにネット界隈の人々の注目度は高かったようで、定員150人分のチケットはすぐに売り切れる人気に。会場ではオフレコの話も挟みつつ、多いに盛り上がった。



【パネラー】



関信浩さん:シックス・アパート代表取締役CEO。2003年の設立からMovable Type、TypePad、Vox、LiveJournal、Zenbackといったサービスの立ち上げと、事業売却(LiveJournal)、サービス停止(Vox)などに携わる。イベントではVoxの失敗談を中心にトーク。



清田いちるさん:ギズモード・ジャパン編集長。シックス・アパートのメディア事業担当シニア・ディレクター。前職のニフティー時代は、すでに終了しているメッセンジャー「デリポップ」、社員によるコラムサイト「マ・ラソン」などに関わった。マ・ラソンのコンセプトは「デイリーポータル Z」に引き継がれている。



赤松洋介さん:05年にサイドフィードを設立。現在は「ツイキャス」でおなじみのモイのCEOも務めている。「基本、オフレコでお願いします」とのことで、記事で紹介できるエピソードは少なめ。



尾下順治さん:アクセルマーク代表取締役。KDDI退職後に創業したモバイルベンチャーをヤフーに売却。ベンチャーキャピタルへ転職後、エフルートに出向・転籍し、08年に取締役に。昨年10月にアクセルマークと合併し、代表に就任した。アクセルマークをソーシャルアプリメーカーに事業転換した経験などから「失敗手前で回避して次に向かうっていうスキルがついたかな」とコメント。



佐々木大輔さん:NHN Japanウェブサービス本部サービス企画2室執行役員CPO。05年にライブドアへ入社し、現在までに「livedoor Blog」や「ロケタッチ」の事業責任者を担当。07年に初心者向けブログサービス「nowa」をリリースするも、09年3月に終了。この失敗でソーシャルサービスへのコンプレックスをこじらせたが、「3回忌」というタイミングで、イベントへの出席を決意したそうだ。



【モデレータ】ゼロスタート社長の山崎徳之さん



【企画者】ユーザーローカルの閑歳孝子さん



●メジャーを夢見るジャニーズJr.みたいだった――「nowa」の場合



 イベントはモデレータ山崎さんの「明るくやっていきましょう」という呼びかけで始まった。トークテーマが失敗だからといって暗くなる必要はない。パネラーは皆、失敗を踏まえて次のチャレンジに進んでいる猛者たちなのだ。



 冒頭トークが盛り上がったのは、佐々木さんの「nowa」だ。ブログサービスながら、mixiのように友達登録できる機能や、Twitterのように今何をしているかを書き込む機能を備え、リリース当初注目を集めた。当時livedoor Blogがもうかりづらい状況だった一方で、mixiなどクローズドなサービスにユーザーが集まっており、佐々木さんは「焦りを感じて」いたという。



 nowaの企画が始まったのは06年。ライブドア事件の後だったこともあり、nowaには「虚業のライブドア」から「技術のライブドア」へとブランドイメージの刷新を図る狙いがあった。当時の社員のモチベーションを佐々木さんは次のように表現する。「みんないつか自分の番がやってきて、(自分が作ったWebサービスで)デビューしたいって気持ちがあった。ジャニーズJr.みたいな集団なんですよ」。



 開発は、エンジニア、デザイナー、企画者でチームを組んで進めた。「マーケッターがいなかった。でも良いと思ったものをやっているので不安はまったくなくて最高に楽しかった」。だが思ったほど流行らず、09年3月に終了。「自分のセンスのなさを直接批判される感じがして」辛かった。「携帯電話で使うと面白かったんだけど、当時スマートフォンは普及してなかったし、タイミングが早かったんですね……」と佐々木さんはポツリ。「暗い!」とモデレータ山崎さんから突っ込みが入る。



 当時を振り返って思うのは「livedoorの名前を使うべきだった」ということだ。livedoorは好きだったが、ライブドア事件でブランドイメージが「地に落ちた」あの時、nowaはあえて独自ドメイン・独自ブランドを選んだ。「知名度が高いけど好感度は低いものは、逆に後から好感度を高めたりできるわけで、勝負すべきだった。livedoorの名前でサービスを出すだけでそこそこ反響をもらえるという“下駄”を履いていたことに初めて気付いた」。



 ライブドアがネイバージャパンとともにNHN Japanに経営統合され、現在大ヒット中の「LINE」にも関わるようになった佐々木さん。nowaの失敗でソーシャルサービスへの「コンプレックス」をこじらせ、「二度とやらないぜ!」と遠ざけてきたが、実はすごくやりたかったことに気付いた。「引きこもりのお兄ちゃんにかわいい妹が同居してきたみたいな」と、佐々木さんは謎すぎる(?)例えで会場の笑いを誘う。



●「わけ分からん組織に」――「Vox」の場合



 nowaと同じく、ブログサービスである「Vox」の例も紹介しよう。Voxはシックス・アパートの4つ目のサービス。ブログや写真の公開範囲を「友人のみ」「家族のみ」と細かく指定できるプライバシーフィルターが特徴で、当時はTech Crunchも「これは皆さん、気に入るでしょう」とベタ褒めだった。



 「200人程度の会社で4つ目のサービス。わけ分からん組織になって非常に大変になることが今だと予想できるんですが……」と関さん。Voxに人的リソースを集中させた結果、Voxのエンジニアは30人近くいるのに、TypePad担当は数人程度――というアンバランスな状況になった。結局2年経て世界で60万ユーザーしか獲得できず、2010年10月に終了。「ベンチャーは1つのサービスにフォーカスすべきということがよく分かった」。



 Voxは、米Six Apart創業者のミナ・トロット氏が深く関わっているサービスでもあった。「本人があまりソーシャルじゃないんですね。ちょっとした仲良い人たちと上質な会話を楽しみたいみたいな感じがサービスに出ていた」。ソーシャルなサービスを出すなら、“中の人”もソーシャルに強くなくてはヒットにつながりにくいのかもしれない。



 赤松さんは社外からの視点で「Voxはきれいにまとまって良いサービスだと思ってたけど、Movable TypeやTypePadがあるなかで位置づけが難しかったのかな」とコメント。いちるさんは「同じ時期に(オープンなサービスである)Twitterが出てきた。Voxは閉じているんですよね。時代の変わり目だったんですね」と、感想を述べる。



●流行っても心が折れては続かない



 人気があっても失敗したケースがある。尾下さんはKDDIを辞めた後、携帯向けデジタルカメラ「PashaPa(パシャパ)」を使ったホームページ作成サービスを手掛けていた。月額200円で3日で3万人のユーザーを獲得し「すごいもうかるじゃん!」と盛り上がったが、アップロードされるコンテンツはエロ、グロ、犯罪予告がほとんど。24時間体制で削除に追われることになった。



 「心が折れて疲れてしまってやめました。(Webサービスは)気合いというか覚悟とか青写真ないと続かないと思いましたね。いくらのサービスにしたくて、次何やりたいかっていうのがなかったんで」。関さんも「嫌々やるのは良くない。完全に腑に落ちていないものをやってみるとうまくいかない。継続しないと思うんです」と付け加える。



●最後を看取る重要性



 失敗をどこで判断するか、どのタイミングで手を引くかは非常に悩ましいポイントだ。いちるさんは「皆におすすめできるルールではないが」と前置きしつつ、マイルールは「ダメだと思ったらすぐにやめる」ことだと話す。「名残惜しい気持ちがあるくらいの時点でさっさとやめる。株の損切りと同じ」だ。



 一方、最近は経営層に近いところでサービスの選択と集中を決断する立場にいるという佐々木さんは、失敗を判断するポイントについて次のように話す。「サービスをやめてほかに突っ込んだら、そっちが目に見えて伸びる。良い判断したように感じるんですけど、もう1段階選択と集中を進めたら、もっと伸ばせたのではないかと、パラレルワールドにいるもう1人の自分と比較しなくてはいけない」。



 失敗が分かったときに何をすべきかという議論では、パネラー5人が「モチベーションの維持が重要」という意見でまとまっていた。関さんは「Voxは終了をアナウンスしてから30日後で閉めたが、その期間のモチベーション維持が大変だった。レイオフもあって全部知っている人がCTOしかいないような状況だった」と振り返る。



 佐々木さんはnowaをクローズしたとき、すでに別のプロジェクトへ移っていた。「葬儀ができなかったことで供養できず、3年間引きずってたんです。あの時ちゃんと最後まで担当していればソーシャルコンプレックスをこじらせなかったのにと思うんですよ」と、“最後を看取る”重要性を説く。



 赤松さんは「モチベーションをなくすと猛烈に効率悪くなるじゃないですか。それってもったいないんですよ」とコメント。尾下さんは「モチベーションを維持するにはPivot(方向転換)かなあと。ノウハウとか資産とか残ったものを次に生かしてビジネスやっていこうよっていう話かなと思っている」と語った。



 いちるさんは「やめるときにできるだけ最後にキレイな花火を上げよう、きれいなお墓を作ろうという風にしてます。きれいな終了ページを用意したり、『どうだった?』ってUstreamで座談会したり。少しでもよかったなと思えるように最後少し上げてから終わる」と話す。いちるさんいわく「ろうそくが消える瞬間にちょっと燃え上がるみたいな感じ」。あの日消えた“火”は今、形を変えてほかのサービスに受け継がれているに違いない。

(この記事はテクノロジー総合(ねとらぼ)から引用させて頂きました)



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